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第03-2話 ククリナイフ

ผู้เขียน: 百舌巌
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-02-05 11:01:22

 男たちの慌てぶりと、拘束されている女の子の様子から察したのであろう。クーカと名乗る少女は男たちのくだらない企みに気付いたようだ。

「おめえに関係無いと言ってるだろうがっ!」

 大声をだしているが時々引っくり返っている。普通の女の子ならば見知らぬ男の集団には警戒心を持つものだ。ところが、目の前の少女は動じる気配すら無い。

 その不気味さに異質さを感じ取っているのだろう。

「群れの中なら安心出来るの?」

 そんな事を言いながらクーカは一歩進み出て来た。

「……」

 妙な質問をする少女に、男たちは黙りお互いに視線を交わしていた。この異様な存在に戸惑っているようだ。

「それとも強くなったような気がするの?」

 黙っている男たちにクーカはまた一歩足を進めた。

「……」

 すると男たちは腰のポケットから折り畳みナイフを取り出した。クーカの外見から虚勢が通じると舐めてかかっているようだった。

「自分が弱いと認めるのが嫌なのね……」

 男たちが取り出したナイフを気にする素振りも見せずため息交じりに呟いた。

「ぶっ殺してやる……」

 男たちの誰かが呟いた。右側に金髪、左側に水色のジャンパーの男。囲んで脅せばどうにかなると考えたらしい。

 するとクーカの外套の裾から何かキラリと光る物が顔を覗かせた。ナイフだ。しかも大きいサイズのようだ。

 そう、クーカはククリナイフを取り出したのだ。

 だが、それは普通のナイフと違っていた。全体が『く』の字に曲がっている独特の形状を持ったナイフだ。振り回した時に遠心力が働き、僅かな力で相手を切り裂く事が出来る。近接戦闘で絶大な威力を発揮するナイフと言われている。

 クーカが近接戦闘で好んで使うもののようだ。

「そんな軟な男に用は無いわ……」

 黒い影がすっと動いた。

「あぐっ!」

 次の瞬間には右隣りの男が腕を抱えてうずくまった。彼が持っていたナイフは腕ごと切り落とされていたのだ。

 クーカはすぐさま身体を低く落とすと、左隣の男のアキレス腱を切った。腕は関節を狙えば切り落とせるが、足はそうは巧く切れ無いからだ。

 そのまま続けざまに右の男のアキレス腱を切っていた。

「ぐわっ!」

「ああああああああ!」

 男二人は激痛のあまり絶叫しながらのた打ち回っている。

 クーカはそんな事には目もくれずに体制を立て直してリーダーの男の前に立った。

「くそっ!」

 リーダーの男は拘束してきた少女をクーカの方に押しやった。怯んだ隙に攻撃をする腹だ。

 しかし、クーカは少女を受け留める事も無く脇に躱して突進して来た。

 彼女は別に正義の味方では無い。自分に向かって来る脅威を排除するのが先と判断しているのだ。

「きゃっ」

 急に放り出された少女は、拘束されている為、短い悲鳴をあげて倒れ込んだ。

「やろうっ!」

 リーダーの男は自分のナイフを突き出そうとしたが間に合わない。既に目の前にクーカの顔があった。しかし、瞬きした時には既に無く。代わりに両足に激痛が走っていた。

「ぐあっ!」

 リーダーの男は倒れ込んでしまった。そして、切られた足を掴もうとして右手が無い事に気が付いたのだった。

 ここまで掛かった時間は、僅かに十秒程度。

「……少し時間を掛け過ぎたわね」

 クーカはそんな事を呟いていた。

 これで男たちは全員が足のアキレス腱を切られている。殺すほどの脅威は無いと判断したのであろう。人間はアキレス腱を切られてしまうと動けなくなってしまうものだからだ。

「くっそぉ…… 覚えてやがれ、今度会ったら必ずぶっ殺すからな……」

 リーダーの男は出血を手で押さえるかのようにして足を抱えてながら唸っていた。何処までも負けん気の強い男だった。

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